宇宙の彼方、遠くを見るほどに、わたしたちは宇宙の歴史を遡ることができます。そのため国際的な研究者チームがすばる望遠鏡を使い、すばるディープフィールドと呼ばれる領域を詳しく調べました。天空のある範囲を2晩にわたってじっと見つめる観測を行い、15万個の遠方銀河からのかすかな光を調べることができました。なぜそんなに多くの銀河を調べる?距離を測る目安となる超新星爆発をとらえるためです。研究チームは150個もの超新星を見つけました。そのうち12個は100億年も前に爆発した、たいへん古いものです。太古の爆発を今ようやくとらえることができたわけです。
研究チームはさらにこれらがIa型超新星であることを明らかにしました。これは宇宙にある鉄のような元素を作り出すものです。宇宙が今の年齢の1/3の若さであったときには、今の5倍の頻度で爆発していたために、宇宙の距離を測るたいへん有用な物差しになっています。爆発の頻度の変化を調べることも、宇宙の歴史をひもとく上で重要な研究です。
左の図は、そのような太古の超新星の1つです。100億年前の爆発ということは、私たちの太陽系の誕生より50億年以上もさかのぼるものです。 |